～流浪の民のユダヤ人が１９４８年に元々のイスラエル王国のあったパレスチナの地に、今のイスラエルを建国してから７２年が過ぎ、人口と経済力を合わせた国力の成長率としてはOECD諸国のトップにある。今日まで４度の中東戦争を含め様々な危機を変革の原動力として成長を遂げてきた最大のポイントは、国民一人ひとりの意識の強さ、即ち生き残りのための開拓者精神、先駆者魂、そして危機意識である。今回のコロナ危機に対するユダヤ（イスラエル）人の意識の強さを日本の参…（つづく）～

■第二回
問題は発明の母：多くの起業家を生むユダヤ（イスラエル）
ーコロナ問題に取り組む当事者意識が生むベンチャー企業

～砂漠に水をつくりだし、点滴灌漑で農作物を生産の上、余剰分を輸出までし、エネルギー不足を太陽熱で補う等、「問題」や「不足」を材料として新たな解決策を創造するのがユダヤ（イスラエル）人の強烈な当事者意識であり、それが起業家精神にも繋がっている。この起業家精神を育み、具体的なベンチャー企業に繋げるエコシステムを…（つづく）～

■第三回
移民受け入れこそ成長の源泉
ーコロナがもたらす鎖国を恐れるユダヤ（イスラエル）人

～電話やインターネットのように加入者が増えるほど既存のユーザーの便益が増すことをネットワーク外部性と呼ぶが、イスラエルには国全体が情報や便宜を供与し合うネットワーク外部性があり、人口増と共にそのネットワークの価値が乗数的に向上する。イスラエルには移民をこのネットワークに取り込み互いの便益を増大させる受入れのインフラがハード、ソフト共に揃っており、移民歓迎の国民的コンセンサスがある。我が国の人口減少と東京一極集中問題を…（つづく）～

■第四回
サイバーセキュリティ
ーデジタル社会の国家、組織、人間の悪意、脅威、計画を熟知するユダヤ（イスラエル）

～インターネットが世界中に行きわたると共に、実世界で見られる様々な犯罪（窃盗、恐喝、脅迫、嫌がらせ、詐欺等）や反社会勢力など悪意のある組織の犯罪、テロ、国家による攻撃といったものがサイバーアタックという形でサイバー空間内に再現されている。ネット検索では見つけられないダークウェブなどでの個人や組織の悪意の計画から国家による脅威を含め、その存在を正確に把握し、その能力と意図を知りリスクに備えることが大切になる。コロナ禍でオンライン化が加速する中、世界のデジタル化をチャンスとしてサイバーセキュリティ能力を高めてきたユダヤ（イスラエル）に学び…（つづく）～

■第五回
人づくりこそ国造り
ー歴史に学び、若手に任せ、失敗をさせ、対等な関係で「大人」に育む

～旧約聖書は過去の王を称えるのではなく、その失政から教訓を残しユダヤ（イスラエル）の生き残りと繁栄の糧とするものであるという。一人一人の意識の高さ、良い意味の「我の強さ」を縦糸とし、国の生存を図る仕組みを横糸としたときに、イスラエルの徴兵制は高校出たての若者に多大な責任を与え、失敗をさせ、対等に扱うことで急速に強靭な縦糸（大人）をつくりつつ、国防という横糸（大義）を意識させ、頑丈なタペストリーを織り込んでいる。コロナという新たな脅威に立ち向かうためにも管子が「終身の計」と呼ぶ人づくりが益々重要となって…（つづく）～

■第六回
アメリカを梃子に成長を築くユダヤ（イスラエル）
ー世界の覇権国アメリカとユダヤの関係とは？

～アメリカはイスラエルにとって安全保障上の、そして外交上のパートナーであり、支援者であり、また修士/博士課程といった高等教育の場を提供し、さらにはベンチャー企業が目標とする巨大市場へのエントリーと上場先を提供している。イスラエルは、はた目にはアメリカに過剰依存で交渉上弱い立場と見られかねないが、実態はある種対等に米国にものを申し、自らの案や主張を通せている。むしろ欧米の多国籍企業の方がイスラエル詣でを加速し、コロナ禍でも対イスラエル投資は増している。安全保障、外交、経済のいずれの分野でも米国に気遣い、対等に向き合えていない我が国、日本は…（つづく）～