専門家も超驚いた濃密なチベット密教美術の壁画★チベット&ネパール視察記NO.1
2019年7月8日 コラム チベット, ネパール, 光一, ゴンカルチューデ, ラサ
専門家も超驚いた濃密なチベット密教美術の壁画!
昨年の11月、エネルギーワーカーの光一さんと風の旅行社の中村さんと、チベットとネパールを旅しました。この旅は、今回そのエネルギーワーカーの光一さんとアーユルヴェーダの第一人者・西川眞知子さんと10月31日~11月10日にかけて実施する「ヒマラヤ・スピリチュアル・ゾーン~チベット・ネパールへの旅~」の視察でした。その視察レポートをお届けいたします。
◆ツアーに同行する講師、西川眞知子さんと光一さん
まずは羽田から北京に入り、乗りついで、成都に行きました。そこで1泊し、いよいよチベット自治区のラサに入ります。ラサに近づくにつれ、岩肌むき出しの山々が飛行機の窓からみることができ、辺境の地に向かっているんだなとワクワクしてきました。
空港に着くと一足先に入っていた中村さんとチベット人の女性ガイドが出迎えてくれました。この時点で標高3500mの高地にいるので、当然ですがやや空気が薄いような気がしました。高山病対策には、走らず、落ち着いて行動し、とにかく深呼吸と聞いていたので、まずはたっぷり深呼吸をしました。
◆チベット上空と飛行機から空港を見る
さて、空港についてその近くにあるゴンカルチューデというお寺に向かいました。このゴンカルチューデは、15世紀に創建されたサキャ派の名刹。チベット仏教は、ニンマ派、カギュ派、サキャ派、ゲルク派の4つの宗派に分かれており、その宗派系列のお寺となります。
◆ゴンカルチューデの正面
◆お寺の中にある壁画
◆お寺の中と仏像
このお寺には、一般参拝客は見ることができないイダム堂というお堂があります。2階に上がっていくのですが、そこで若い修行僧が一人で読経していました。それを見たとき、ひとりで誰もいない場所で熱心に読経を続けるのは、自分自身を鑑みると、とても難しいことだなと思いました。その若い僧の方にお寺の中を案内してもらうことになりました。
◆お寺を案内してくれた若きチベット僧。背景はゴツゴツした岩山のみ。
ゴンカルチューデの一般参拝客は見ることができないイダム堂(イダムとは守護神という意味)があるのですが、そこには絢爛たる貴重なチベット密教の壁画があります。私自身は詳しい見分けはつかないのですが、案内によるとカーラチャクラ、ヘーヴァジュラといった密教の仏たちが描かれ、一度中に入ると密教世界が万華鏡のように広がります。
その壁画の数々は、正木晃先生、立川武蔵先生という日本を代表する仏教研究の代表的な先生方も、ゴンカルチューデのイダム堂の壁画を見て驚き、これは記録に残すべきと「チベット密教の神秘 快楽の空・智慧の海」(正木晃・立川武蔵/学習研究社)という写真がメインの本が出ているほどです。
◆本にはこんなことが書かれています。「まさか、こんなところに、こんなハイレヴェルの密教尊像群があったとは。それも、いまだその存在が知られていなかったとは。・・・全容はおろか、その存在自体、ほとんど知られていないという事実がわかった。」
さらに、ここにはヤブユムと呼ばれる男性尊格と女性尊格が抱き合った父母仏像がありました。この像こそ無上瑜伽タントラといわれる男性原理と女性原理が統合させるチベット密教の奥義の具現化したもの。
一通りお寺を回ると、ヤクと呼ばれる牛のような動物(ヤクはチベットの人たちには欠かせない動物)の乳からつくったバター茶を僧侶からふるまっていただきました。環境が厳しく食資源も少ないチベットにとって、バター茶は重要な飲み物なのだそうです。
◆僧侶からいただいたバター茶
今回秋に行く旅では、特別なチベット密教の仏教美術の壁画があるゴンカルチューデのイダム堂に入れるようにお願いをしました。一般の参拝客は入ることができないということなので、この宗教学者をも驚かせたお堂に入ることができるのは、とてもスペシャルな部分のひとつだと思います。
とにかく、チベット初日からいきなり濃いお寺に行きました。
その後、ラサの旧市街のど真ん中にあるシャンバラ・ホテルへと向かいました。この視察では、ツアーで宿泊するためのホテルの選定に3つほど回りましたが、どれもいいホテルなのですが、立地が街から離れておりホテルに滞在するしかないのであまり面白くありません。ザワザワとした街の中心に建つこのホテルですが、ジョカン寺というチベット仏教の一番重要なお寺のすぐそばであり、一歩外に出ると商店もあるので、ここが一番いいと光一さんと意見が一致しました。
◆ラサの旧市街
◆秋のツアーで宿泊するホテルです。いろいろ見て回りましたが、ここが旧市街のど真ん中で一番いいと思いました。
ところで、チベットの中心地ラサですが、市内に入ると意外にも近代化が進んでおりました。いわゆる新市街と言われる漢民族が住んでいる地域には、高層マンションが建っていたのです。これには驚きました。チベットに何度も行っている旅行会社の中村さんに聞くと、年々ラサの街は変化していっているそうです。ラサはいまや100万人都市ということです。
それまでのチベットは<辺境で無味乾燥な土地>という通り一辺倒のイメージを持っていました。しかし実際はそうではないというのに気づかされ、現地に行ってみないとホントにわからないものだなと思いました。
この後、都市ラサを離れた仏教の聖地にも行くのですが、そこはまだ辺境の地としてのチベットを見ることができるのですが、中心地のラサは、年々変化していっているということなので、まさに今チベットを見ておかないとという気にさせられました。
想像ですが、5年後に訪れたとしたら、さらに変化したラサの街がそこにあるかもしれません・・・。ラサというチベットの中心地、行くなら今でしょ!初日からそんな気にさせられたのです。