聖地歩き ① ~出羽三山~

2015年7月9日 コラム

羽黒山 五重塔(国宝)

羽黒山 五重塔(国宝)

月山、羽黒山、湯殿山からなる出羽三山。開山以来多くの参詣者を集めた、山形県が誇る山岳信仰の聖地です。明治時代の神仏分離が行われる前は、東日本一帯から「出羽三山にお参りしなければ死ねない」と言って、人々がこの地を訪れたそうです。

出羽三山は、明治以前、神は仏が化身したものと考え、両者を融合した神仏習合の思想が根付いていました。月山は、月読命(つきよみのみこと)と阿弥陀如来を。羽黒山は、観音菩薩を本地仏として、二つの神を祀り、湯殿山は大日如来を本地仏として、3つの神々をお祀りしていました。

そして、月山と羽黒山は天台宗。湯殿山は真言宗という、いわば、仏、神、そして山岳信仰という自然に対する崇敬の念が、宗派を越え一体となって息づいていた地と言えるでしょう。古くから日本人が抱いていた宗教観が受け継がれてきた聖地は、あらゆるものに神を見出し感謝の心を抱く、おおらかな和の精神を呼び覚ましてくれます。

出羽三山は、過去・現在・未来をあらわすとされ、登拝する順序があると言われています。月山は過去。羽黒山は現在、湯殿山は未来。つまり、月山は、過去世。羽黒山は現世、湯殿山は来世を示し、この三山を巡ることで、生きたまま悟りを得られるという考えです。現世の羽黒山から入り、月山で死の修行をし、湯殿山で再生するのです。

それでは、まず、三山を巡る「ご神体巡拝(ごしんたいじゅんぱい)」にならって、羽黒山からご案内しましょう。

羽黒山は、崇峻天皇の第一皇子・蜂子皇子(はちこのおおじ)が開山したと言われています。九州の英彦山(ひこさん)、奈良の大峰山と並ぶ、日本三大修験道の聖地です。

2446段の石段を登り、頂上には、出羽三山の仏神を祀った「三神合祭殿(さんじんごうさいでん)」があります。その途中には、国宝の「五重塔」や、縁結びで有名な「埴山姫(はにやまひめ)神社」など見どころが多く、石段を登るつらさを忘れさせてくれます。

結婚を願う人は、ぜひ、山頂で「縁結び守り」を受けて、下山の時に、お守りに同封されている赤い紐を埴山姫神社の格子戸に結んでくださいね。私がお参りしたときも、この前で真剣に祈っている女性がたくさんいらっしゃいました。

さて、羽黒山での私のおすすめパワースポットは、山頂の「三神合祭殿」の前にある「鏡池」。その昔に奉納された銅鏡がたくさん埋納されているそうです。静かで神秘的な力を感じていただけるでしょう。(次回に続く)

羽黒山 鏡池。古来より奉納されたとおよそ600面の銅鏡が出土している。この池から羽黒神が現れると言われている神秘的な池。

羽黒山 鏡池。古来より奉納されたとおよそ600面の銅鏡が出土している。この池から羽黒神が現れると言われている神秘的な池。

富士川碧砂さん

人気声優で占い師
富士川碧砂さん

<プロフィール>
声優・開演ライフアドバイザー。青二プロダクション所属の声優・寺瀬今日子として活躍。代表作はフジテレビ「とくダネ!」テレ朝「世界が驚いたニッポンスゴ~イデスネ視察団」進撃の巨人(モーゼスの母)。一方で霊能者である祖母の能力を受け継ぎ、1年待ちの人気占い師としても活動。的中率が話題となり、BS朝日「オシタマ」テレビ朝日「FUTURE TRACKS→R」で人気アーティストを占う。占いコンテンツ「魂の憑代(よりしろ)」は利用累計50万人。老舗呉服屋の娘に生まれ、和の世界にも造詣が深く、実業の他に着物開運を主とする"開運ライフアドバイザー"としても活躍。著書『運を操る魔法』(扶桑社)『マンガでわかるみるみる運気があがる本』『スピリチュアル星占い2016年』(リンダパブリッシャーズ)
富士川碧砂HP  http://fujikawamisa.net
富士川碧砂ブログ http://ameblo.jp/fujikawamisa